【読み物】『ネタ★逆十二支★』(第2回十二支レース)

十二支 創作・読み物
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神「第2回十二支競走やるよ」

 

~レース前日~

ネズミ:(今回も牛の背中の上に隠れた。ゴール直前におりて1位とったろ。ゴールまでゆっくり寝てるとするか)

牛:(今回は同時スタートが厳格化された。ネズミは知らずにこの背中に隠れているが。一斉スタートならビリは間違いなく自分だ。ビリだけにはなりたくない)

 

~レース当日~

用意、スタート!!

「はじまりました、第2回十二支レース。わたくし実況アナウンサーの人間です! ネズミ、牛、トラ、ウサギ、龍、ヘビ、馬、羊、猿、鳥、犬、イノシシ。十二の動物による激しい闘いの火蓋が切って落とされました!」

「おっと、ここで早くも変化が起きた! イノシシと猿の合体だ! 猿がイノシシの背中に乗って舵を取る。共闘戦法か。まるで数年前に一世を風靡した某動物園のウリ坊と子ザルのようだ! イノシシが速度を増す! しかし強豪ぞろい、頭一つ抜け出すことはできない。レースの行く末はまだまだわかりません」

 

馬:(落ち着け。古今東西、最もレースに慣れてる動物は馬だ。正攻法でいけば自分に一番利がある)

羊:(隣のコースの馬、さすがの走りだ。しかし自分だってこのレースのために特訓を積んできた。常に犬に追われるイメトレは完璧だ)

 

「馬と羊はとても安定した走りを見せています。一方、集団から遅れをとっているのが牛。第1回では誰よりも早くスタートして優秀な成績をおさめましたが、一斉スタートの今大会は厳しいか? その牛は何やら首から虫カゴのような物をぶら下げています。何かの秘策でしょうか? 牛の背中で寝ているネズミはまだ起きません」

 

牛:(焦らない焦らない。自分はビリでなければ万々歳なのだから)

ヘビ:(自分は真ん中くらいの順位になれれば万々歳だ)

龍:(クソ。前を走るヘビ。龍のチビ版のくせに調子に乗りやがって。龍の前を陣取るとは生意気だ。気に食わん。これでも食らえ!!)

 

「ああっと!! 龍(ドラゴン)が炎を吐いた! コースが一面火の海と化す! レースは止めない止まらない!が、炎によって現在の様子が見えなくなってしまった! 炎の海から一番に姿を現すのは誰か?」

「ん? んん!? これは! トップが現れました! グングンと圧倒的な勢いで一気に先頭に躍り出たのは、イノシシ!と、その背中にしがみつく猿です! イノシシは火事が起きたときには一番逃げ足が速いというのは本当でした! だからイノシシは火事からの守護動物として知られ、火事から建物を守るためにハート型の「猪目(いのめ)」のデザインを建物の構築物や家具に施したりします。なんて説明しているあいだにもイノシシは全力で真っすぐ突き進む! 速い速い! これぞ猪突猛進!」

「ああっと!? イノシシのスピードに耐え切れずに猿が落下してしまった! イノシシは止まらない! すかさず猿は起き上がって駆けだす! あっ!? 後ろから猛追してくる二者がいる! 犬と鳥だ! なんと、猿、犬、鳥。桃太郎のお付き3動物がここにきて意地のせめぎ合いを展開! やはり互いに負けられないプライドがあるのか。しのぎを削る三つ巴。デッドヒートの三銃士。混戦模様のまま、今、ゴーーーーール!!」

「1位はイノシシで確定ですが、その後は!? ビデオ判定だ。結果が出ました。イノシシに次いで、犬、鳥、猿の順となりました!」

「次いで、ずっと冷静な走りを見せていた羊と馬がゴールしました! 安定の走り、さすがでした!」

 

「さあ、後半の順位のトップでゴールしたのは、ヘビ! 龍の攻撃をモロに食らいながらもお疲れ様でした。炎を吐いて体力をすり減らしてしまった龍がその後ろから今ゴールインしました」

「つづいてウサギとトラがほぼ同時にフィニッシュ。この二者は永遠のライバル・巨人と阪神についての論争に熱中するあまりにさっきまでレースを忘れてしまっていた模様です。昔からタクシーの中では野球・政治・宗教の話はタブーと言われますが、レース中もご用心です」

「さて、残るは一歩一歩着実に進む牛と、牛の背中に隠れているネズミの二者。レース前インタビューでビリにはなりたくないと語っていた牛。他人のふんどし戦法で寝つづけるネズミ。状況を知らずに1位の夢でも見ているかもしれない。ゴール目前、ネズミが目を覚ましそうな気配だ。おっと、ここで牛が首を振った。ぶら下げていた虫カゴを投げた!」

「虫カゴが地面に落下! 何か出てきた! おお! なんと! チーズだ! カゴの中にはチーズが入ってた! 自身のミルクを発酵させてチーズを作っていたようだ!」

「ネズミが起きた! 大好物のチーズのにおいに誘われた! 牛の背からおりてチーズに駆け寄る! ネズミまっしぐら! チーズに食らいつく! おいしそうにチーズをほおばる! チーズに夢中だ! その間に牛がゴーーール! 気づいたネズミが慌ててゴールするも勝負あり。レース終~了~!」

 

「最終的な順位は以下の通りとなりました」

1位 いのしし
2位 いぬ
3位 とり
4位 さる
5位 ひつじ
6位 うま
7位 へび
8位 たつ
9位 うさぎ
10位 とら
11位 うし
12位 ねずみ

「実況はわたくし人間でした。ありがとうございました」

 

(終)

 

(9/16追記)
十二支の「とり」は、鶏でしたね。桃太郎のお供はキジ。とり違いではあるけれども、もう書ききってしまったので後の祭りですね。

 

当記事は、以前自分が別サイトに書いた記事の移転になります。
別サイトでの公開日:2018/09/15

 

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Saeka Kadomatsu
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この記事を書いた人
門松冴果

Saeka Kadomatsu
映画と文(ぶん)が好きな物書きです。小説を書いています。

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