ドキュメンタリー映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』を観てきました。
観た後に、映画のタイトルそのまま、静かな水のように落ち着いて澄んだ心地になるような、そんな映画でした。
内容紹介
92歳でこの世を去ったアメリカの作家ターシャ・テューダーに迫るドキュメンタリー。4人の子供を育て上げ、50代で念願の一人暮らしを始めた才能豊かな女性の足跡をたどる。監督は、『犬に名前をつける日』に携った松谷光絵。生前のターシャ本人のほか、息子のセス・テューダーらも登場。美しい大自然に囲まれたシンプルライフに共感する。
(引用元:シネマトゥデイ)
ガーデニングや家事などの手仕事、自然、動物、クリスマス、そしてコーギー犬を愛する絵本作家のターシャ・テューダー。
彼女の周りは空気がゆっくり静かに流れています。
ターシャの家族や友人も、元々の性格がそうというのもあるのかもしれませんが、ターシャの近くにいると穏やかで実に平和的に見えます。
わだかまりなく、執着なく、好きなことをして穏やかに暮らす、それがターシャ・テューダーのライフスタイルです。
彼女の過去は平坦ではなかったですし、彼女にもいろんな事情はあるのですが、彼女自身が拘泥しないから、彼女はいつも穏やかで落ち着いた心で過ごしています。
不満を感じるのもそうでないのも全部その人の「心」次第。
いつも静かな水のような心でいれば、無駄な怒りや不満などの反応をしなくなり、執着をしなくなり、サラサラとして平穏な生活を送れる、ということですかね、ターシャ的には。
ターシャの生き方や考え方は、ブッダと通じる部分があると思いました。(わたしは仏教に関して浅学ではありますが……)
ターシャは、静かな水のように生きる生き方を、ターシャ教(テューダー教だったかな?)と半分冗談で名付けていました。
仏教でもターシャ教でもいいのですが、そういう軸となるブレないものを持ちたいものですね。
ターシャが若かりし頃、アメリカでは髪とスカートを短めにするファッションが流行しました。
ターシャも、周りからそういった格好をすることを求められることもあったといいます。
でも、ターシャは「せっかく女性に生まれたんだから」と長い髪を切ることはなく、そして「着たい服を着る」と、英国風のようなロング丈のドレスを自らつくって着ていました。
ターシャという女性は、そういった周りに流されずに「自分の心に従う」選択の積み重ねでできているんだと思いました。
ターシャの孫のお嫁さんがいっていたように、「何をやって何をやらないか、だれと会ってだれと会わないか」選択できるのがターシャです。
自分の心で選び、静かな水のような心で過ごしてきたターシャ。
ライフスタイルや考え方・生き方は人それぞれ。
どんなものを選ぶのも自由だというその中で、ターシャのように、周りに流されずに、自分の信念・心からブレずに選んでは積み重ねていくということが重要でしょう。
軸があってこその自由やその人らしい生き方。かな。
2015年に生誕100年を迎えたターシャは、2008年に亡くなられています。
彼女の生前の映像と日々の生活を今回、ドキュメンタリー映画として見ることができました。