小説短編集『未完』を公開しました

短編集『未完』

 

短編集『未完』を、AmazonのKindleストアにて公開しました。

 

電子書籍になります。

2020年に出版した短編小説『おぼろ』を含む、5作品を収録。

 

収録作品

  • 『おぼろ』
  • 『記憶の代償』
  • 『ある村と大猪』
  • 『ある人間と大猪 ~肉体か、精神か~』
  • 『アイム・ゴッド』

 

あらすじ・内容紹介

・『おぼろ』
気づけば見知らぬ荒廃の地にいた「私」。自身の名前も性別も不明。自分のことは何も思い出せない。閻魔だと名乗る顔の赤い人が現れ、ついていくことにしたが…? ――「私は誰です? 私は何者ですか?」(短編小説)
・『記憶の代償』
類人猿Aは記憶力が悪い。類人猿Bにフラれたことをいつも忘れ、いつも求愛をしに行く。毎日同じことを繰り返していたが、ある日、変化が生じた。(超短編小説)
・『ある村と大猪』
西の村に了安(りょうあん)という名の男あり。山から帰る最中、大猪(おおいのしし)に遭遇した了安。体格よく一見立派にも見える了安だが、村人たちからすれば、どうにも心もとない青年だった。(昔話風物語)
・『ある人間と大猪 ~肉体か、精神か~』
上記作品『ある村と大猪』のアナザーバージョン。了安は山で大猪に遭遇した。自信に満ちる了安だったが、誤って湖に落ちてしまう。そこで不思議な声を耳にする。(昔話風物語)
・『アイム・ゴッド』
「この地球は、すっかり変わっちまった。地球外生命体に乗っ取られちまった。俺たち人類はいま、殺し合いをさせられている。互いに命を奪おうとしている」地球外生命体が人間に持たせた特殊銃――通称「アイム・ゴッド」。それは、人を撃つほどに、撃った者の身体が透明化していく銃だった。高度に透明化した男の、悲しい独白。(微SF作品)

 

作品のこぼれ話

短編集『未完』に収録されているいくつかの作品について、背景などすこし書きます。

 

『記憶の代償』

『記憶の代償』は、今回の短編集に収録されている中では一番古い作品になります。2018年の9月に書きました。この作品は、忍者の「記憶術」がヒントになって生まれました。

前、三重県の伊賀流忍者博物館を訪れたときに、以下の情報を目にしました。(博物館内にある忍者伝承館で提示されていた情報より)

情報を集める役割を果たす忍者は、人よりも記憶術が必要であった。秘密を守るために人の目に触れる文字には表せなかったかったからだ。そのため忍者は、覚えにくい数字は、人の体や食べ物に置き換える連想法で記憶した。また、絶対に忘れたくない最も重要なことは、そのことを思い浮かべながら自分の体に傷をつけるという方法(不忘ノ術)で覚えた。

絶対に忘れたくない重要なことは自分の体を傷つけて覚えた…というのが印象に残っていて、それを物語化したのが『記憶の代償』になります。

 

『アイム・ゴッド』

『アイム・ゴッド』は、主人公の独白形式で話が進みます。最初は「ですます」調で書いていました。一人称は「私」でした。丁寧な言葉遣いを使う人物というイメージだったんです。

でも読み直してみると、イメージが違うかなと感じたので語調を変えました。一人称を「俺」にして、「ですます」調の敬体から「~だ」などの常体に変更しました。当然ですが、語調を変えると、同じことをしゃべっていても伝わってくる人物イメージは変わってきますね。

結果、変えてよかったです。自分の中の主人公のイメージが「ですます」調のときよりもかっこよくなりました。

 

以上です。

 

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