死者八名、恐怖のヒグマ襲来「三毛別羆事件」は知っておくべき

ヒグマ 本・漫画
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かつて北海道の片田舎で、ヒグマに襲われて8人が亡くなるという事件があったのをご存知でしょうか。

 

三毛別羆事件といいます。さんけべつひぐまじけん と読みます。

参考 三毛別羆事件 – Wikipedia

 

三毛別事件について詳しく書かれた本がこちら → 木村盛武著「慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件」(文春文庫)

 

1915年に北海道で起きた史上最悪の熊事件を綴ったノンフィクション本です。

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内容紹介

Amazonより引用

1915年12月、北海道三毛別の開拓地に突如現れた巨大なヒグマは、次々と村人を牙にかけていく―獣害史上最悪となる8名の死者を出した「三毛別事件」の真相とは?生存者の貴重な証言をもとに元林務官の著者が執念で綴った戦慄のノンフィクション!著者自身のヒグマ遭遇体験なども収録した特別編集版。

熊事件のバイブルといえる本

ヒグマ襲撃によって8名(※)の死者が出た三毛別のこの事件。
(※そのうちの一人はヒグマに襲われてから2年8ヶ月後に死亡したので、彼を抜かした7名を死者数とすることもあります。)

 

林務官だった木村氏が取材をし、忘れかけられていたこの史上最悪の熊事件を文章にまとめて世間に発表しました。

 

単行本としては「慟哭の谷―The devil’s valley」(共同文化社)というタイトルで1994年に出版されています。

 

事件発生の100年後にあたる2015年に文庫本が出版されました。

文庫本の特別収録として、著者自身のヒグマとの遭遇事件の話や写真家・星野道夫氏が熊に襲撃された事件の話などが掲載されています。

 

まさに熊事件に特化した、熊事件のバイブルともいえる本です。

三毛別事件

私はこの事件についてまったく知りませんでした。

三毛別という地名自体聞いたことがありませんでした。

 

ふとしたきっかけで、およそ100年前の日本におそろしい熊事件があったことを知り、事件の詳細が知りたくて文庫本を購入しました。

 

大筋はウィキペディアで把握しましたが、ウィキペディアだけでは知ることができなかったヒグマの足取りが図で説明されていてわかりやすいです。

 

また、ヒグマが最初に現れてから退治するまでの一連の経過が物語のように描かれていて、ヒグマが人間を食する時の音なんかも表現されていて、より事件を臨場感たっぷりに感じることができます。

ヒグマの恐ろしさが手に取るようにわかります。

進撃の巨人を彷彿とさせた

私はこの事件について書かれた文章を読み進めて行くにつれて、「進撃の巨人」を思い出していました。

重なる部分が多いと思いました。

 

まず、ヒグマ。

三毛別に現れたヒグマは、体長2.7m、体重340kg。

人間より遥かに大きい巨人みたいな存在です。

 

そして三毛別のヒグマは冬眠し損ねて機嫌が悪く、民家を襲うばかりか人をも攻撃し、さらには人を食うことを覚えました。

人間を食うのはまさしく巨人と一緒ですね。

三毛別のヒグマは馬に対しては関心を示さず、馬をまったく攻撃しませんでした。

この辺も巨人の性質と似ている……。

 

当時の住民たちが置かれていた環境とか文明レベルとかも進撃の巨人のそれと近いものがあります。

電話など通信手段がなく、電気・電化製品がないから日中しか自由に動けず、昼夜限らずいつやってくるかわからない熊におびえるという。

この状況を想像しただけでこわいです。

 

ヒグマを退治するには銃で撃ち殺すしかない状態でした。

 

結局「サバサキの兄」こと山本兵吉氏がヒグマの心臓付近と頭部に弾を命中させて討ち取るんですが、それまでに何度かヒグマを取り逃がし、ヒグマに運が味方してるんじゃないかというくらい人間たちが追い詰められていました。

この不自由な環境下で追い詰められている感じも、進撃の巨人を彷彿とさせた一因かもしれません。

 

進撃の巨人と似てるからなんだという話ではありますが、書きたかったので書かせてもらいました……。

ヒグマを仕留めたサバサキの兄について

ちなみに。三毛別のヒグマを仕留めた山本兵吉氏ですが。

 

彼は若い頃、樺太にて熊をサバサキ包丁で刺し殺したことがあるそうです。

生涯に捕った熊の数は三百頭を超えたとかなんとか。

 

酒好きで、常に軍帽を被って、年がら年中猟銃を持って山野を駆け巡っていたという、なんともキャラ立ちしているマタギさんです。

 

彼が主人公になっている(名は銀四郎になっている)、三毛別事件を小説化した「羆嵐」(吉村昭著・新潮文庫)という本も出版されています。

ヒグマは怖い

三毛別のヒグマは数日間に渡って現れては消え、人間を襲い・時には食い殺し、住民を恐怖の底へ陥れました。

熊はもともとこわい存在ですが、このときの熊は特別こわい個体です。

 

一度襲った民家や女性物の衣服や湯たんぽの石に執着を示すなど、異様な性質も垣間見えました。

噛み殺した女性の死体を地面に埋めていたというエピソードはゾッとします。

 

これらの性質はヒグマ全般に当てはまることなんでしょうか?

潜在的にそんな性質を秘めているとしたら怖すぎます。

たまたまそのヒグマがサイコパス的な資質を持っていただけでしょうか。

熊やライオンにサイコパスがいるとしたらおそろしすぎる。

 

本の中で三毛別のヒグマを「魔獣」と表現していましたが、まさにですね。

最後に

この事件について知った当時、数人の知人にこの事件を知っているかどうか尋ねました。

知っている人はゼロでした。

 

これこれこういう事件だったんだと話すと、「映画『デンデラ』みたいだ」という人が二人ほどいました。

わたしは『デンデラ』を知らなく、ストーリーを聞く限り古い映画なのかなと思ったら、2011年公開の映画でした。

 

ウィキペディアのデンデラのページには、吉村昭の『羆嵐』のパロディの要素を持っているという記述がありました。

ああ。であればリンクするのも自然なことかな。

 

映画『デンデラ』、見てみたい。


2017年1月15日追記

 

映画「デンデラ」見ました。たしかに熊映画でした。

 

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