『ドラゴンボール』が大好きである。
ナメック星編などのワクワク感は異常です。
その『ドラゴンボール』のナメック星編と同じくらい、いやもしかしたらそれ以上にワクワクと胸を躍らせて読んだ同作者・鳥山明先生の作品がある。
それは、コミック一巻完結の『SAND LAND』。
SAND LAND (ジャンプコミックス)
あらすじ:
幻の泉をみつけだせ!! 魔物も人間も慢性の水不足にあえぐ砂漠世界で、悪魔の王子・ベルゼブブと元天才軍人・シバが強力タッグを組み、水源を求めて冒険に旅立った!! 灼熱の荒野で彼らを待ち受けるのは!?
初老の人間と魔物が手を組み、水源を見つけに旅立つ冒険譚である。
これが凄まじく面白い。
本当に、私にとっては感動すら覚えるほどに面白かった。
いってしまえば私にとってはパーフェクトな漫画的存在でして、自分の中での漫画ド真ん中というのか、自分にとっての「THE・漫画」が、『SAND LAND』であります。
ストーリーもキャラクターも世界観も、好き過ぎるといえる。
ストーリーとしては、ちょっとした謎から物語が始まる。
全世界的に水不足にあえいでいるのに、豊かな水場に生息する鳥が幾度か目撃された。
ということは、豊かな水場があるのか? なのにどこにも水が足りてないのはなぜか?
――やがて大きな秘密へと辿り着く。
旅の途中で元軍人の人間・シバの意外な過去がわかれば、水不足に関連した悲しき過去を持つ人種が現れたりして、物語が彩られていく。
コミカルに無駄なくストーリーが進んでいきます。
キャラクターもとてもよいです。
メインとなる登場人物たちの個性がしっかり見えるだけでなく、脇役もとてもユニークでキャラが立っていて、それでいて魅力的である。
鳥山明先生の絵柄でキャラクターの魅力はさらに倍増され、絵は見やすくわかりやすい、かわいいキャラクターもいればコワいキャラクターもいて、個性が豊かですごく楽しいのですね。
世界観は、カルト的人気といってもいいかもしれぬ映画『マッド・マックス』に通じる部分がある。荒廃した砂漠地帯を車で走るところなり、ときにゴロツキと戦うところなり。
『マッド・マックス2』に出てくるヒューマンガス軍団のようなちょっとキワドくてなんだかカッコいい軍団も作品内に登場する。
そして魔物(モンスター類)も登場するのでドラクエのような風味もあり。戦車が出てくるので軍事関連が好きな層にも響きそうである。戦車のデザインなどは緻密でカッコよくてセンスが爆発している。
とまあ、もう、すべてが素晴らしいといえる。一巻にまとまってるあたりも素晴らしく、これはもう、漫画の完成形なのではないかとすら思ってしまう私です。
優れた漫画には無駄な描写がないといわれたりしますが、本当に無駄な描写などないように見えてスッキリとしていて気持ちよささえある。
それでいて読後は心の土壌を耕してもらった感じの豊かさもあった。
何度も読みたくなる、いつまでも大事に置いておきたい漫画作品である。
『SAND LAND』、大好きな漫画です。