南三陸に多いお寺。曹洞宗。そうどうしゅう、ではない。

岩手 正法寺

 

南三陸町の町民と話していての発見。
檀家となられている寺の宗派「曹洞宗」のことを、「そううしゅう」と呼んでいた。

「曹洞宗」の読み方は「そううしゅう」だと言ったところ、「えー!? ここら辺ではみんな『そううしゅう』って言ってるよ」とのこと。

 

「そうどうしゅう」呼びが広がっている(=呼ぶ人が多い)ということは、そもそも当該地域では曹洞宗の檀家さんが多いのかしら?と。もっといえば、曹洞宗の寺が多いのかな、と思った。

調べてみることにした。
グーグルマップで「南三陸町 寺」で検索。
ファーストビューで出てきた寺(ピンが立った)は、12件。

その12件の宗派を調べてみたら、11件が曹洞宗だった。1件は真言宗。

南三陸町の曹洞宗の率は高かった。

ネットで全国の寺の数を調べてみてざっと計算したところ、あくまで個人の計算になるが、全国では曹洞宗の寺は2~3割程度。その比率からしても、11/12件はやはり多い。

 

これには理由…というか、歴史がある。

田中則和氏の著書『南三陸の山城と石塔』に、次のように書かれていた。

曹洞宗は南北朝時代、東北地方に地元の神仏を大事にしながら布教を開始し」(p.114)たとのこと。

南北朝時代とは、1336-1392年を指す。その時代に、東北地方での曹洞宗の布教拡大が図られた。

1348年に岩手県の水沢に東北地方初の曹洞宗寺院である正法寺(しょうぼうじ)が創建され、その後急速に拡がっていったようである。

岩手 正法寺

岩手 正法寺

また、田中氏の本を読んでいて、天台宗から曹洞宗への改宗の例がけっこう多かったと知った。中には「…と、されている」と推測レベルのものもあったが、天台宗から改宗した寺が何例か出されていた。

前述の東北地方初の曹洞宗寺院である正法寺も、ウィキペディアによれば、まずその道場が設けられたのは天台宗の寺の敷地内だったようだ。

ちなみに、岩手の寺で最も高名であろう寺・中尊寺(ちゅうそんじ)は天台宗で、その創建は嘉祥3年(850年)になる。歴史があるなあ。

岩手 中尊寺

岩手 中尊寺

 

再び田中氏の著書からの引用によると、「南北朝時代に曹洞宗本山が布教地として着目する地に北上川から南三陸に至る街道の要衝が含まれることは注目される。」(p.89)と書かれていた。

南三陸あたりも布教の地として含まれていたのであれば、南三陸に曹洞宗のお寺が多いのもうなずける。

 

曹洞宗は、仏教の禅宗の一つだ。あの禅(ZEN)である。坐禅(ざぜん)、只管打坐(しかんたざ)、典座(てんぞ)、精進料理、などの禅。

禅は京都などだけでなく三陸にもあり。同じように戦国時代や室町時代というのも三陸とはあまりイメージは重ならなくもその時代の歴史(たとえば岩手南部と宮城北部を統治していた戦国大名・葛西氏の歴史など)は粛然と三陸にあるのだ。

 

もっと三陸の歴史について知りたいと思った。

今回は以上。

 

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Saeka Kadomatsu
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門松冴果

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映画が好きな物書きです。小説を書いています。小説『アマタザキ』『霊峰記』等小説作品を、Amazonの電子書籍 キンドルで出版しました。

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