インド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』を観てきました。
実話をもとに脚色した伝記的ドラマ映画です。
インド映画、またしてもおもしろいのが入ってきましたね。題材がなんともユニーク。
生理用ナプキン(パッド)の劇的な改善を、「男性」がやり遂げるとは。しかも田舎町で。しかも月経が「穢れ」扱いされているインドで。
題材の興味深さでいったら、個人的には今年の映画で一番と言ってもいいくらいの映画でした。
映画の感想
コメディ要素が盛り込まれていてギャグ的におもしろいところもけっこうある一方で、涙を流しながら鑑賞した部分もありました。
主人公のスピーチシーンなどは心にグッときました。
これは勇気と努力の物語だなと。スーパーマンやスパイダーマンみたいに、インドのヒーロー「パッドマン」。
パッドマンの主な功績は以下です。
・それを大量生産する独自の「機械」を作り出し
・その機械を複数の農村に渡して農村の女性の「雇用」を作り出し
・インドの月経事情の社会意識さえも変えていった
映画鑑賞中に、心の中で何度も拍手を送りたくなりました。(映画館で観たので実際に拍手は鳴らせなかったですが)
冒頭に「人物像や出来事には脚色がしてあります」と表示されたように、フィクションの部分もあります。
ただ、上記の「パッドマン」の功績は事実です。パッドマンは実在します。このような人物がインドにいたことを初めて知りました。
インドなどではこの手の話はなんとなくタブーなのかなというイメージがありました。そこをコメディ要素を入れつつ描ける時代になったのですね。ウィキペディア情報によれば(複数の出典元明記付き)、公開が禁止になった国もあるようですが……。
インドの月経事情を知れました。
西暦2000年前後でも、インドではこんなにも月経事情について(日本と比べれば)後進的だったとは。
インドでは市販されている生理用ナプキンは高価でとても一般人が手を出せる代物ではなく、インドのほとんどの女性が汚い布を使わざるを得なかった。
映画では、汚い布を使用することによって、病気になったり不妊に悩まされたり、最悪は死に至る女性もいると語られていました。
とても大変で不自由な思いをしながらも、どうしようもないとあきらめるしかなかったんですね。近年でさえも。
日本はこういう点でも恵まれているのだなとしみじみと思わされました。「日本の製品の素晴らしさ」に改めて気づかされました。
私がその存在を知ったときから、使い捨ての清潔な生理用ナプキンというのは、手軽に購入することができました。
昔は布を使ってたという話は聞いたことがあります。しかし現代の日本では、特別なこだわりでもない限り、自らそうしようと思わない限り、洗って再利用する布の使用は普通ではあり得ない話です。
インドの彼と同じように、研究や開発に力を注いでくれている人たちがいるからこそ、こんなにも質の高い生理用品が簡単に入手できるのだと、ありがたさを感じました。
映画のモデルになったご本人がINKtalks(TEDみたいなプレゼンテーション動画)で語っていたのですが、自ら女性用の下着を穿いてナプキンを装着して研究していたのはリアルエピソードだったんですね。
あと、映画でも描いてない、ここでもちょっと書けない、いろんな意味で普通はできない研究などもおこなっていたようで。
↓翻訳機能を使えば、日本語字幕で観ることができます
このような努力・貢献に頭が下がります。
映画内の歯ブラシのくだり(必要なのは磨く部分、金の棒は不要みたない話)も本当に本人が動画で言ってたことでした。
題材からして、女性のほうが興味を持ちやすい作品かなとは思います。
私が映画館に観にいったとき、圧倒的に女性の観客のほうが多かったです。ちなみにレディースデーではない日です。
でも、男性が観ても置いてけぼりには感じないのではないかなと思います。なんせ主人公は男性なので。
主人公に感情移入して、苦労を乗り越えて道を切り開いていくヒーロー視点で観るもよし。「ビジネスの観点」から観ても、きっとタメになることがあると思いました。
パッドマン本人は、ビジネスの視点というよりは、もっと根底にある「信念」ありきではありますが。
ただ、そういった面からもまた、ビジネスの点でいろいろ考えさせられるとは思います。
とにかく今年一番といってもいいくらいに、個人的に興味深い題材作品でありました。