『この世界の片隅に』二度目を観た感想

映画(邦画) 映画(旧作レビュー)
スポンサーリンク

 

『この世界の片隅に』がAmazonビデオで100円でレンタルされていたので、久々に観ることにしました。

 

映画館で一度観たことのある作品です。

 

二度目の鑑賞でもググッと引き込まれ、やはりとてもとてもいい映画だと再確認しました。

 

途中からティッシュを手離せなくなるほど泣きました。

 

そしてフフッと笑える場面もあります。

 

ずっと目が離せずに最後の最後まで鑑賞し、作品に入り込んでいました。

 

スポンサーリンク

日常と非日常、リアルとファンタジー

『この世界の片隅に』の中には、現代人でも共感できる機微がたくさん描かれています。

 

そして、日常と非日常のミックスの絶妙さがあります。

 

空にカラフルな着色弾の煙が広がるシーンで「ここに絵の具があったらな」とすずさんが思ってしまうのとか、すごくわかります。

 

空襲警報がつづいてる中で楽観的になったりちょっとおちゃらかしたりするのもすごくわかります。

 

戦争が日常になれば、四六時中戦々恐々としているわけにもいかないですしね。

 

戦争を過度に残忍に描いたりしてません。

 

かといって凄惨さを隠したりキレイに繕ったりせずにありのままを描いてます。

 

そこがすごくよかったです。

 

 

片渕須直監督は、ファンタジーな要素がありながらも人間模様などをリアルに描き出す監督さんですね。

 

同じく片渕監督作品の『マイマイ新子と千年の魔法』を観て特にそう思いました。

 

子供にも見やすいジブリ的な絵柄で、人間のダメな面や生々しい面も描いたりします。

 

ファンタジーな世界観を持つ監督さんって、同時にとても現実主義者で「リアル」なものが見えやすかったりするのかなと思います。

 

リアルあってのファンタジーですし。

 

宮崎駿監督も、そうですね。

 

ファンタジーとリアルの融合はお手の物。

 

で、自然現象なんかもファンタジー化しちゃう。

 

田舎の田んぼを強い風がザーッと通り過ぎるのは実はネコバスが走ってるからという発想、今考えても目のつけどころがシャープだと思います。

 

同じく『となりのトトロ』に出てきたまっくろくろすけ、あれの正体が、明るい場所から暗い場所に行ったときに見えることがある視界トリックのメタファーと気づいたときには(※あくまで個人的な見解)、興奮しました。

 

実際には見間違いかもしれないし何かの現象かもしれないものを、妖怪だったりファンタジーだったりに置き換えるのって、昔から日本人の得意とするところなのでしょうか。

 

すずさんも小さい頃に夢か現実かわからない不思議な出来事に遭遇します。

 

小さい頃って、そういった不思議に感じる出来事に遭遇しやすいものかと思います。

 

『この世界の片隅に』に関しては、ファンタジーな雰囲気はありつつも、とことん現実を描いているのがのちにわかってきますけどね。

 

とことん誠実に「現実」を描いている

『この世界の片隅に』から受け取ったメッセージ。それは。

 

失われたものは元には戻らないけど、それでも前に進んでいく。

 

ということでしょうか。

 

ここで一つ補足すると、私は、失われたものが元通りになる「物語」もありだと思っています。

ただし、元に戻るにあたって犠牲となるもの(そしてキャラの成長)があれば、の話ですが。

 

『この世界の片隅に』は、多くの国民が犠牲になったところで勝利を得られなかった現実、壊れてしまった街・建物・亡くなった人はもう戻らず、そしてすずさんの体の一部(大好きだった絵を描くこと)も決して元通りにはならないけれど、それでも進んでいくという、厳しくもそれが正真正銘の現実であるんだという現実を描いています。

 

現実に対してとことん誠実に描かれているから、ぼうっと呆けてしまうような虚脱感もあり、どこか救いを感じる優しさもあるのだと思います。

 

また、優しさは、ほんわかした絵柄やすずさんのキャラクターによってさらに増していますね。

 

キャラクターたち

すずさんはたいていほんわかしています。

 

でもときに激しい感情を持ちます。すずさん自身が自己嫌悪に陥るような考え方をするときもありました。

 

それが人間だしそれが日常ですね。

 

あんなご時世だったので、感情の揺れが大きくなっても無理はない。

 

すずさんは鈍感なように見えても頭に禿ができたこともあったし、表に感情的に出さないだけで、ふつうにいろいろ感じたり悩んだりしてました。

 

のほほんとして人当たりがいいから、まわりから強く当たられることもあります。

 

当たらんといてやって……。とは思う。

 

 

すずさんの魅力があふれているのはもちろん、妹さんやリンさんも素敵です。憧れのお姉さん系で。

 

妹さんとすずさんが一緒にお風呂に入ったとき、妹さんがきれいな体を洗っている(左腕上げてる)シーンは、のちの展開を知っていると「ああ……」と肩が沈みます。

 

リンさんは登場時間が短い割にけっこう重要キャラのような扱いされてるなと初見では思っていましたが、原作では周作が結婚を考えていた女性だったということを知り、あと「物の怪らしきあの子」との関連性に気づいたときに、リンさんは特別な存在なんだと納得しました。

 

お義姉さんのケイコさんもキャラとしてすごくいいんだよなあ。

 

ラストでは、お義姉さんにも希望の光が見える終わり方をしていたのがよかったです。

 

あとがき

『この世界の片隅に』、二度目の鑑賞も楽しませてもらいました。

 

数日前に観たばかりだけど、早くもまた観たくなってます。

 

そんなときに朗報が。

 

なんと、2月3日(土)から全国のイオンシネマ90劇場にて、『この世界の片隅に』が上映されるとのことです!

 

以前は、爆音上映、極上音響上映などの特別上映もあったようです。

 

今回はそういう特別上映があるかは不明ですが、爆音、極上音響……で、ぜひ観たい!

 

タイトルとURLをコピーしました