宮城県には「いずい」という方言があるのでご紹介。
「いずい」の意味・使い方
意味は、「違和感がある」とか「しっくりこない」とか「何か(引っ掛かったりして)気になる」「ピッタリはまらない」みたいな感じ。
たとえばメガネを作ったとき。
完成品を試着してみたら鼻や耳にうまいことフィットしなくて微調整が必要になる場合がある。
このフィットしない感じが「いずい」に近い。
個人的見地からすると、きつい・締めつけ感があってフィットしない場合にのみ「いずい」を用い、ゆったりして合わない場合には「いずい」は使わない。
「いずい」は、「しっくりのこなさ」の中でも、自分の肌や体に多少なりともストレスを与えられて生じる「しっくりのこなさ」を表す単語なのかなと思う。
ほかの例を挙げると。
スニーカーの中に小石が入り込んで足の裏を刺激するなんて経験一度はあるかと。
こんなとき宮城県人は、「なんか”いずい”ど思ったら石ころ入ってだー」(何だか違和感あると思ったら石ころが入ってた)みたいに言う。
少し痛かったり痒かったりチクチクするような感触には「いずい」、持ってこい。
むずむず、そわそわ、いがらっぽいなども「いずい」の有効範囲内。
「不快」「異変」などと言い表してしまうと時として大袈裟になってしまう。
そこまではいかない微妙な違和感・異物感のたぐいを角が立たない感じで結構幅広くカバーできる。そんな汎用性のある方言が「いずい」。
使い勝手がいいために、地元民の日常会話では「いずい」がちょいちょい登場する。
宮城県を訪ねた際に「いずい」がサラッと出たら、地元の人に「おっ」と思われるかもしれない。
ちなみに「いずい」のアクセントは「うまい、まずい」の「まずい」と同じです。
表記は「いずい」なのか「いづい」なのかは不明。何度も口に出すことはあれど、文章に書くことはまず無いので。
「いづい」のほうが東北弁の雰囲気は出そうだけれども、「づ」にする根拠はないので現代仮名遣いの「ず」で紹介しました。