映画『アナと雪の女王2』を観て – 生命燃焼の観点からのエルサ考・人生考

『アナと雪の女王2』

映画『アナと雪の女王2』を観て感じたことなどをまとめるうちに、生命燃焼の観点から書くのが一番いいと思ったので、そのような観点を主にした映画ブログ記事。

 

アナと雪の女王2

まずは、2のエルサの道のりとともに、エルサの内側を考察していく。

戴冠式から数年が経ち、アレンデール国の女王として立派に務めていたエルサ。妹のアナや仲間たちと一緒に穏やかに暮らし、平和という雰囲気の中にはいた。

でも活き活きとはしていないように見えた。エルサはアレンデール国では本来持っている力をセーブしなければならなかった。魔法の暴発を防ぐために感情的になってはいけなく、常に冷静で、自分の中にあるエネルギーを抑えていなければならない状態だった。

不思議な声に導かれて大冒険に出たエルサは、やはり大自然に立ち向かうほどに本領を発揮していった。自分の生まれ持った能力を最大限に開放し、激しく戦い、あれこそ生命を躍動させている=生きている、感じがした。

生きることは何かといえば、自分固有の生命を燃焼させることに尽きる。魔法というものがエネルギーや気のようなものだとしたら、自国で小出しにしか放出できていなかったエルサはいつまでも不完全燃焼だったわけだ。(不完全燃焼な魔法でも十分用が足りるくらいの強い力がある)。国を出、大自然に立ち向かったときに、セーブすることなく解き放つことができた。というより、解き放たなければ前には進めない状況だった。

大自然はエルサよりも遥かに強くて壮大な力がある。何が待ち受けているかわからない中、エルサは自分を吞み込んでしまうかのような荒海に飛び込んでいかなければならなかった。大波にはね返されて失敗する描写もあった。それでも挑むのには覚悟と勇気がいる。覚悟と勇気を強く持つには、自分自身よりも大切な何か、つまり愛、が必要だ。

映画『アナと雪の女王』(1のほう)でも、オラフが言っている。「愛っていうのは 自分より ひとのことを 大切におもうことだよ」と。
英語:“Love is putting someone else’s needs before yours.”

動物として最も大事な自分の命」を自分以外のもののために擲つことができる精神性が愛であれば、愛の対象は恋愛対象や家族に限らず(昔は君主とか同胞への愛も粛々とあったろう)、そして人に限らず、会社でも、国でも、宗教でも、芸術が愛の対象でもいい。

エルサは荒れる大海に一人で飛び込んでいった。
アナは大岩が降ってくる崩壊必至のダムに一人で向かった。
愛するものを守りたいからだ。

一国を背負っている姉妹だから、その愛は姉妹愛だけに限らないのは言うまでもない。

ちなみにアナ雪の1で最も「愛」を描いたシーンは、やはりクライマックスのあのシーンだと思う。アナが真実の愛のキスを目前にして方向転換してエルサを助けたシーン。

あのシーンは恋愛より姉妹愛をとったと見るシーンではなく、キスによって自分の命が助かるかもしれないのに、それを放棄してまで、自分の命を顧みずに自分以外のものを助けにいったところに価値を見るシーンだ。

繰り返しになるが、愛は「動物として最も大事な自分の命」を自分以外のもののために擲つことである。愛の対象は常に自分以外の崇高な何かになる。

 

そして私たちはどのように人生を進んでいくか

『アナと雪の女王2』では、エルサが本来の場所に帰れたような帰着感があった。その場所にいるエルサからは満ち足りたものが感じられた。

ただその場所に行くまでに、エルサは命懸けで戦って進まなければならなかった。もっと過去を振り返ってみれば、アレンデールの国で懸命に民衆を守り、女王として一所懸命に務めていなければ、後のエルサはなかったわけだ。

“雪の女王”であり、唯一の魔法能力を与えられ、王族に生まれた超絶非凡人なエルサとて、すぐに道が切り開けたわけではなく、紆余曲折があった。そしてその紆余曲折に対して、文字通り命をかけなければ(必死、命懸け)でなければ、次には進めなかったわけだ。

だから、自分の使命を模索している現代人の我々にしてもまずは、それぞれが、今それぞれの目の前にあるものに対して損得なしで懸命にぶつかるしかない。

懸命にぶつかるからこそ、一所懸命にやるからこそ、それが違うものなら違うとわかるし、ダメならダメだと諦めがつくし、真の道につづくものに行き着く一歩になる。

どんな立場だろうが境遇だろうが懸命にやるべきことは共通していて、今各々の目の前にあるそれだ。まず、それだ。ということになろう。

自分以外の崇高な何かのために生命を燃焼することが、「人間」の進む道である。

 

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Saeka Kadomatsu
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映画
この記事を書いた人
門松冴果

Saeka Kadomatsu
映画が好きな物書きです。小説を書いています。小説『アマタザキ』『霊峰記』等小説作品を、Amazonの電子書籍 キンドルで出版しました。《当ブログ記事一覧はこちら

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