ことの発端は、以前ある映画を観てからでした。
その映画とは『13日の金曜日』(1980)
13日の金曜日とは、「ジェイソンが来る……!」みたいなホラー映画なんですが、ジェイソンが来そうなときになると、ある鳥の鳴き声が流れてくるのです。
「ウホホホホ」と、ゴリラにも似たような鳴き声。
ゴリラのように力強い感じではなく、もっと甲高い感じで物寂しさみたいなのがあり、鳥類だと決めつけてしまうようなそこはかとない鳥感があります。
「どこかで聞いたことがある。けど、なんの鳴き声だっけ?」
と気になり、鑑賞後にネットで検索しました。
まったく情報は出てきませんでした。
映画内では大々的に取り扱われているわけではなく、本当にさりげなく鳴き声が流れるのみです。
気にしなければ、「鳥なんて鳴いてたっけ?」となると思います。
私も、『13日の金曜日』はたぶん小さい頃にも観ているんですが、そのときは鳥の鳴き声とかは全然気になりませんでしたし。
おそらく、大人になって、どこかで「ウホホホホ」という鳥の鳴き声を耳にしたのでしょう。で、『13日の金曜日』を観て「ウホホホホ」という鳴き声を耳にして、「あれ、どこかで聞いたことがある。何の鳴き声だったっけ?」と気になったと。こういうことだと思います。
自分なりにいろいろ調べましたが、「ウホホホホ」の鳴き声の正体がつかめない日がつづいていました。
ずっと気になっていました。
正体がわかった
鳴き声の正体を知りたいにも糸口をつかめずにいたのですが、つい最近ひょんなことから正体を知ることができました。
その名も、ハシグロアビ(Common Loon)でした。
まずはハシグロアビの鳴き声をお聞きください↓
「ウホホホホ」と言っている。と私は感じる。
この動画で鳴き声を聞いたときには「やっと見つけた!」と、とてもうれしくなりました。
ほかの動画も回り、いろいろなパターンのハシグロアビの鳴き声を聞きました。
「ウホホホホ」みたいに鳴くときもあれば、低めにオカリナのような伸びのある鳴き方をするときもあります。オカリナ調のときは特に物寂しさ・物悲しさ・哀愁が漂います。
勝手なイメージですが、早朝の北米の湖のほとりで耳あてと厚いジャンバーを装着して白い息を吐きながら聴きたい、そんな鳴き声です。
※ちなみに
正体を知ったキッカケも一応簡単に書いておきます↓
(たまたま訪れたサイトのBGMに「ウホホホホ」の鳴き声や水の音がミックスされた自然音が使われていて、そのBGMは「naturesoundsfor.me」というサウンド制作ツールで作られたと知り、naturesoundsfor.meのサイトに行って目当ての鳥の声が「Loon」であると知りました)
ハシグロアビについてちょっと説明
ハシグロアビ(Common Loon)は日本では見かけません。
ウィキペディアによると、主に北アメリカ大陸北部とグリーンランド沿岸で繁殖するそうです。
ハシグロアビは、頭部とくちばしが黒っぽい色をしています。
くちばしが黒いアビ科の鳥だからハシグロアビ。
角度によっては首に真珠のネックレスを着けているように見え、そして蝶ネクタイを着けているようにも見える瞬間があって、なんともオシャレな雰囲気のある鳥であり、美しい鳥です。
ただ、着離水や陸にあがった際にはちょっとバタバタして所作がオマヌケなところがあるらしく、英語で「loon」は「はしゃぐ」「ばかなことをする」「愚か者」などの意味があります。
※英語辞書を見ると、「loon」はアビやカイツブリを含めた「水潜り鳥」という広い意味があるようです。
「loon」で画像検索するとほとんどハシグロアビが出てきますけどね。
ともあれ鳴き声も見た目も魅力的なハシグロアビ。
いつか生で鳴き声を聴きたい&姿を見たいです。