もう数ヶ月前の話にはなりますが、ドキュメンタリー映画『ウォーレン・バフェット氏になる』(2017)を観ました。
世界一の投資家 ウォーレン・バフェット氏の生い立ちやキャリアや私生活について、本人・家族・友人たちのインタビューをまじえて明かしていく作品です。
幼い頃からビジネスを開始し、数字に興味があり、13歳で初めて確定申告をした少年ウォーレン。彼はその手腕で成功を収め、世界長者番付の上位の常連となり、その多額の資産の大半を寄付にあてつづけ、2010年には大統領自由勲章を受章した”投資の神様”です。
そんな投資の神様となる人物はどんな家庭環境で育ったのかと興味がわくところですが、当人いわく「一般的な家庭」だったとのこと。
ウォーレン・バフェット氏の母親は、数字に強く、計算道具よりも計算が速く、天才的だったとウォーレン・バフェット氏の姉妹が語っています。ウォーレン・バフェット氏の競争心が強い性質は母親譲りであるとも姉妹は分析しています。
とはいえ母親がビジネスをすることはなく、共和党の下院議員である夫の選挙のサポートなどをしていました。彼女はとても外向的な性格だったらしいのでうまくこなしていたようです。
映画の中で、ウォーレン・バフェット氏本人が次のように言及していました。
私の母がいい例だった。当時は女性の役割は、夫のサポートという時代だった。
私の姉と妹は知的で人柄もいい女性だ。
だが彼女たちは小さい頃からあらゆる局面で、選択肢は限られていることを思い知らされている。
個人の資質の問題ではなく社会の問題だ。逆に言えば米国は人的資源の半分しか使わずにここまで来たんだ。
もし女性の力も活用できれば米国の未来は明るい。
優秀な人材の半分を眠らせておくなんて愚かだ。
「優秀な人材の半分を眠らせておくなんて愚かだ」
とても合理的な見地だなと。
また、同映画内でウォーレン・バフェット氏は次のようにも語っています。
私がこの地位にいるのは運の問題なんだ。
1930年当時、私が米国で生まれる確率は40対1だった。
私は卵巣くじを当てた。さらに性別は男だ。男に生まれる確率は50対50だから、米国で男として生まれる確率は80対1。
これが私の人生を決めた。私は他者より優れているわけじゃない。
これは単に運なんだよ。
映画の字幕のまま引用させてもらいました。
ウォーレン・バフェット氏は、1957年に購入した田舎の家に今も住んでいます。
朝に妻から渡される300円ほどのお小遣いをもってマクドナルドのドライブスルーで朝食を買い、仕事場に向かいます。
ウォーレン・バフェット氏が語る言葉や名言もそうですが、起こしている行動・事実も、バフェット氏独特というのか、ほかに例を見ない。それもバフェット氏の強みに結びついているのかもしれない。