映画『大統領の陰謀』(1976)を二度観まして

ニクソンとプレスリー 映画(旧作レビュー)
リチャード・ニクソン大統領とエルヴィス・プレスリー(※プレスリーは当映画と何も関係ありません)
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一ヶ月以上前に、映画館でスティーブン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観ました。
なかなか進行スピードが速くて集中力のいる作品ではありましたが、おもしろく鑑賞しました。

 

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のラストに、ウォーターゲート・ビルがちらりと映ります。
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で活躍していたワシントン・ポスト新聞社は、政治スキャンダルであるウォーターゲート事件でも事件究明に向けて大きくかかわっていきます。
ウォーターゲート事件を描いた『大統領の陰謀』にも興味を持ち、Amazonビデオで鑑賞しました。

 

『大統領の陰謀』は、ウォーターゲート事件の真相をワシントン・ポストの新聞記者が追っていく過程を描いてある作品です。

 

二回観ました。
一回目は何せ挙がってくる名前が多くて把握しきれなかったのですが、それでも飽きることなく観れる作品だったので、もっと内容を理解したいと思いました。

 

二回目はメモをとりながら鑑賞しました。
メモをとってみるとやはりググッと話が理解しやすくなり、各人の関連性も視覚化できてとてもわかりやすくなりました。
そして、だれがどのような立場で何をしたのかが確認できます。

 

「隣の奥さんが誘拐された」と取材の電話で逃げ口上を垂れていたのがダールバーグだったとか
「記事をもし出したら絶交だ」とぶつぶつ言い、ボブに「いつ友人になったんですか」とツッコまれていたのはマグレガーだったとか
「社主のケティのバストをちぎってやる」と悪態をついていたのはミッチェルだったこととか確認しました。なんの確認でしょう。
(社主のケティとは、キャサリン・グラハムのことですね。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』ではメリル・ストリープが演じていました)
彼らはいずれもニクソン再選委員会のお偉方です。
ニクソン再選委の上層部はおふざけが盛んな人が多いのかな

 

映画内での情報になりますが(つまり1976年頃までの情報)、上記3人の中で有罪となったのはミッチェルのみです。
まあディープ・スロートがいうには「始めたのはミッチェルだ」し、ミッチェルはウォーターゲート侵入後に大金を手にしていたと、スタンズとスローンの簿記係の女性によって語られていましたしね。
ウィキペディアを見てみたら、ミッチェルは司法妨害で有罪とのことでした。

 

黒幕とされたスタンズや、ホールドマン(ハルデマンともいうらしい)、ニクソンの特別顧問のコルソン、ニクソンの個人弁護士のカームバックなども有罪となっています。
民主党の妨害をつづけていたセグレティは6か月の刑、彼の旧友で大統領の秘書をしていたチェーピンは偽証の罪で有罪です。

 

以上の有罪情報は、映画のラストで紹介されていました。
一時停止したり戻ったりしながらメモをとりました。
メモをとることで、改めてたくさんの名前が登場することを知らされました。

 

この映画、主役二人はワシントンポストの若手記者です。
彼らはタッグを組んで独自にウォーターゲート事件の調査をしました。
カール&ボブ、どちらも当時人気のあった二大スターをキャスティングしたとのこと。
黒髪のカール・バーンスタイン役が、ダスティン・ホフマン。
金髪のボブ・ウッドワード役が、ロバート・レッドフォード。

 

ダスティン・ホフマンもロバート・レッドフォードも、この映画に出ているときは40歳前後だったのですね。
もっと若く見えました。
30歳前後くらいに。

 

ダスティン・ホフマンは私の中では『レインマン』のイメージが強かったです。
この映画のカール役では色男系ですね。
髪が長めで沢田研二さんを彷彿とさせました。
(私は沢田研二さんは映画『太陽を盗んだ男』でしか知らないのですが)

 

ボブ役のロバート・レッドフォードは、正統派な美男という感じです。
彼はこの映画の中で、電話で取材するところをまるっと撮られるシーンがけっこうありました。
数分に渡るシーンもあり、中にはうっかりミスが見られるところもあります。
「おーい。だれか英語を、じゃなかった、スペイン語を話せる人」は、実際にありそうないいまちがいでした。

 

それから、ボブがダールバーグとマグレガーの電話の相手を同時にしてたときに、つい「マグレガーさん……いや、ダールバーグさん、どうも」と名前があべこべになってしまったのもリアルでした。
演技じゃなくて本当にまちがったんじゃないかなと思います。

 

その電話のシーンの後、カールから電話がかかってきたシーンで。
スタンズがウォーターゲート侵入者にお金を渡した黒幕だという情報をつかんだことをボブが話したら
カールは「万歳!」と喜んでいたのですが、これ、そのまま「banzai」と言っていたように聞こえました。
正確には「バンザ」といっていて「イ」は聞こえなかったけど、字幕は「万歳」と訳されていたし、カールはbanzaiと口にしていたのでしょう。
メジャーではないけれども、アメリカでもbanzaiが通じることもあるようです。

 

カールとボブは電話取材もそうですが、人を訪ねて取材することも何度も何度もおこなっています。
また、国会図書館の大量の図書カードを一枚一枚調べていくなど、地味で骨折りの作業もしていました。
インターネットが普及していない時代だったから、より面倒で時間がかかる作業もたくさんあったことでしょう。
寝る時間もあまりなかったでしょうけど、彼らの働きによって隠ぺいされそうだったウォーターゲート事件の真相が白日の下に晒されます。

 

ニクソン大統領は再選を果たすも、アメリカ史上初めて任期中に大統領を辞任することになります。
任期中の彼の外交手腕を高く評価する声はあるようですが、通常大統領経験者の死去の際におこなわれる国葬は彼が亡くなったときにはおこなわれなかったとのことです。

 

『大統領の陰謀』は、ウォーターゲート事件が起きて割とすぐに作られた作品です。
なので、「ディープ・スロート」の存在もまったく謎のままで終わります。

 

2005年(事件から33年後)に、事件当時FBI副長官だったマーク・フェルト氏が、自分がディープ・スロートであると公表しました。
公表時にはフェルト氏はご高齢で認知症の症状があり、細かい記憶は失われていたとのことです。
フェルト氏の娘さんと弁護士の説得により、弁護士が筆を執る形でディープ・スロートの公表がされたそうです。
ワシントン・ポスト及びボブ・ウッドワードも、マーク・フェルトがディープ・スロートであったと認めています。

 

マーク・フェルト=ディープ・スロートを描いた映画『ザ・シークレットマン』が、ちょっと前まで公開されていました。
私は映画館では観ることができませんでした。
なので『ザ・シークレットマン』がオンライン配信となったら観てみたいと思います。

 

自分が生まれる前のアメリカの政治事件については、なかなか、映画でもなかったら詳しく知る機会はなかったと思います。
それを2時間前後で知れる・調べてみようと思うキッカケになるのは、やっぱり映画っていいものですね。

 

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