映画『チャーリング・クロス街84番地』を観た感想

映画(旧作レビュー)
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映画『チャーリング・クロス街84番地』(1987)を観ました。

その時代を生きた人間じゃなくとも、なんか「旧き良きに親しむ」感覚を刺激してくれるような情緒がありました。

インターネットがない時代のニューヨークとロンドンでの古本の取引、からの文通、そしてささやかな食料の支援。

遠い距離でのぬくもりある交流。いいですね。

多くを知らないからこその心地よさや聖域感。ってあるよなーと。

 

この映画は実話に基づいています。

日常の静かな分岐や変化がじわじわと訪れます。

「文通」のように(SNS時代からすれば)ゆっくり時が流れ、しかし、確実に少しずつ、時には急激に、変化していくような、人生の切なさや機微みたいなものがあったなと思います。

それでいて温かい気持ちになる作品でした。

 

印象に残ったのは、アン・バンクロフト(主人公ハンフ役)の演技。

冒頭、年齢を重ねたハンフがロンドンの街を眺めるシーンでは、とてもいい表情してました。

まずあのシーンで「おっ」と心つかまれました。

彼女にどんなドラマがあったのか、どんな思いでロンドンの街を見ているのか、この時点ではまだわかりません。

それでも彼女が胸いっぱいになってる感じが伝わってきてちょっとグッときました。

 

ラストまで観終えた後に、また冒頭のシーンに戻ってみました。

そしたらやっぱりいい表情してた。万感的な。表情が輝いてるように見えました。

観てて涙が出てきました。

この作品でアン・バンクロフトは、英国アカデミー賞の主演女優賞を受賞したとのこと。納得。若い頃の”はねっかえり”っていうんですかね、その演技もよかった。

 

アン・バンクロフトとアンソニー・ホプキンス(本作フランク役)は、『エレファント・マン』でも共演してます。

アンソニー・ホプキンスはヤバい人格の役のイメージが強かったです。

本作のような”真人間”みたいなキャラもスッと馴染むんだもんなあ。流石。

 

この作品のハンフさんのように、「やり残した仕事」として気持ちを高ぶらせながら訪れる場所があるというのは、うらやましいことだよなあとも思います。

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